
惜別 フランク・ゲーリーさん クラシック音楽と日本を愛した建築家
魚のうろこのように輝く独創的なチタン屋根で造形されたスペインのビルバオ・グッゲンハイム美術館(1997年)などで知られる世界的な建築家は、クラシック音楽と日本に特別の関心を抱き続けた人物でもあった。
初めて手がけた本格的な音楽ホールはロサンゼルス・フィルの本拠地「ウォルト・ディズニー・コンサートホール」(2003年)だった。ステンレススチールのパネルでできた帆船のような外観は、音響と建築の関係を徹底的に探り、内部が固まってから構想された。

音響を担当した音響設計家豊田泰久さん(73)が初めて事務所を訪ねると、約200分の1で作られた内部デザイン案や歴史的名ホール内部の模型が壁に30種以上ぶらさがっていた。「ぎょっとしましたよ。次から次へどれがいいのか。むしろ音響側の意見を聞きたいと」
フランク・ゲーリー(1929–2025) Frank Gehry
チタンや波打つ曲面を用いた独創的な作品で知られるカナダ出身の米国の建築家。ビルバオ・グッゲンハイム美術館などで「脱構築主義」の先駆者と評され、1989年にプリツカー賞を受賞。3次元CADを駆使し、機能と芸術を融合させた現代建築の巨匠。2025年12月に96歳で死去した。
冗談好きで気さく。豊田さんに「うまくいかなかったら、共同責任だから一緒にハラキリ(切腹)をしよう。おれはやり方を知らないから、おまえが先に見せてくれ」と話したという。
ホール完成時のインタビュー映像で博士号を持たない豊田さんが「ドクター・トヨタ」と紹介されたと知り、すぐに大学に掛け合って名誉博士号を用意した。「博士号をいっぱい持っているおれにアドバイスするんだからドクターだろう」
完成後も頻繁に足を運び、楽屋で演奏家たちとの会話を楽しんだ。
日本への関心は、学生時代か…













